椎間板ヘルニアは治ったのに痛みやしびれが残るのはなぜ?|神経と脳の回復を分かりやすく解説

「MRIではヘルニアが無くなっています」と言われたのに、まだ腰や足の痛み・しびれが残っている。

実はこれは珍しいことではありません。ですが、椎間板ヘルニアが無くなった後も、それまで長く続いた痛みやしびれによって、神経や脳の繫がりの変化してしまい症状が続くことがあります。この記事では、その理由と回復へのヒントをわかりやすくお伝えします。

椎間板ヘルニアは自然に吸収される

椎間板ヘルニアとは、腰の骨の間にある「椎間板」の中のゼリー状の部分(髄核)が飛び出し、神経を圧迫したり、周辺の組織に炎症を引き起こし、神経を刺激して痛みやしびれを引き起こす病気です。

しかし、近年の研究では、椎間板ヘルニアの多くは自然に小さくなり、体内に吸収されることが分かっています。体の免疫細胞がヘルニアを異物として処理し、少しずつ吸収してくれます。通常、椎間板ヘルニアは3ヶ月~6ヶ月で、自然に体に吸収されて無くなります。それでも痛みやしびれが残るのは、長い間、神経が圧迫されていたり、炎症が続いたことによって、神経と脳が変化してしまったからです。

治らない理由1:神経が傷ついている

椎間板ヘルニアが神経を長期間圧迫していた場合、神経がダメージを受けることがあります。その結果、

  • 感覚を伝える神経が弱り、しびれが残る
  • 動きを伝える神経が弱り、力が入りにくい

といった症状が続くことがあります。神経は少しずつ修復されますが、時間がかかります。また神経の修復にはビタミンB12が必要とされるので、ビタミンB12を含んだ食品を摂るようにしてください。

【ビタミンB12を多く含む食材】
牛や鶏のレバー、あさり、しじみ、牡蠣などの魚介類

治らない理由2:神経が「過敏」になっている(中枢性感作)

長く痛みを感じ続けると、神経や脳の「痛み回路」が敏感になってしまいます。これを中枢性感作と言います。この状態になると、

  • 軽い刺激でも強い痛みを感じる
  • 痛みが広がって感じる
  • 何もしていなくてもズキズキする

といった刺激に過敏な反応が起こります。これは、痛みの閾値(神経を興奮させるのに必要な、最小の刺激の値)の低下し、本来、痛みと感じなかったような軽い刺激を痛みとして感じ取ってしまっている状態です。

この場合の対処法は、痛みを抑えるための薬や注射、認知行動療法、運動療法などです。当院では、痛みを抑制させる神経経路(下降性疼痛抑制経路)の活性化や、痛み以外の刺激(触刺激や運動刺激など)を使った、ゲートコントロール理論(別の刺激を入れると、そちらが優先され、痛みを伝えるゲートを閉じる)で、痛みの改善を図ります。

治らない理由3:神経の作りが変わってしまった(神経可塑性)

神経可塑性とは、脳や神経が長期に及ぶ経験や学習によって、働きや構造を変化させる特性のことです。本来は、運動や学習などによって、運動能力や学力を向上させる重要な働きをするのですが、慢性的な痛みが続くことで悪い方向にも変化してしまうことがあります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。
慢性痛は「脳」が関係している?

治らない理由4:体の動かし方の癖が残っている(代償動作)

人は体を動かす時に痛みを感じると、その痛みを避けようとして無意識に「かばう動き」をしてしまいます。これが長い期間続くと、その動きが癖として身についてしまい、椎間板ヘルニアが治った後も、かばう動きをしてしまいます。すると、

  • 腰を固めて動く
  • 片側に体重をかける
  • 動作を制限する

このような状態になり、筋肉の緊張や血流の悪化、関節の硬さを生み、結果的に痛みが続く原因になります。体のバランスを整えたり、認知行動療法や運動療法で癖を取り除くことが必要です。

治らない理由5:不安やストレスが痛みを強くする

慢性痛では、体の痛みだけでなく「心の状態」も影響します。「また痛くなるのでは?」という不安やストレスが続くと、脳の中で痛みを増幅させる神経回路(扁桃体や前帯状皮質)が活発になります。このように、心理的要因が痛みを強めることもよくあります。

この場合、扁桃体や前帯状皮質の興奮を抑えるような対応が求められます。それには、認知行動療法や運動療法が効果的です。当院では、それに加えて、扁桃体や前帯状皮質の抑制する前頭葉のトレーニングを行います。前頭葉の働きや、対処法については以下の記事を参考にしてください。

自律神経失調の原因とは?脳の疲労・ホルモンバランスの崩れとの関係

カイロプラクティックが自律神経失調や不安やうつを回復させる科学的な根拠

Mind Alive社のAVEを使った脳の調整

まとめ

原因内容対策
神経の損傷圧迫によるダメージが残る時間と栄養(ビタミンB12)
神経の過敏化痛みの閾値低下による過敏薬や注射、認知療法、運動療法、下降性疼痛抑制経路、ゲートコントロール理論、前頭葉賦活
神経の構造の変化痛みを伝えやすいように構造が変化薬や注射、認知療法、運動療法、下降性疼痛抑制経路、ゲートコントロール理論、前頭葉賦活
体の動きのクセ血流低下・筋肉や関節の拘縮体のバランス改善、認知療法、運動療法
心理的要因不安・ストレスで痛み増幅カイロプラクティック、前頭葉賦活

この記事を書いた人

中央林間カイロプラクティックオフィス 興津 尚之

カイロプラクター

【資格・所属】
日本カイロプラクティック徒手医学会 正会員
マニュアルメディスン研究会 正会員
公益財団法人 日本スポーツ協会 認定スポーツプログラマー
Bachelor of Engineering(工学)

【経験】
臨床経験は17年以上。空手・ソシアルダンス・ラグビーの競技大会での選手のサポート経験あり。一般の方から、プロスポーツ選手に対する施術経験あり。


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