手足の痛みやしびれの原因は? 末梢神経障害とベッドサイド検査で分かること
私たちのような、カイロプラクティックオフィスや整体院では、病院のように レントゲンやMRI、血液検査 を行うことはできません。ですが末梢神経障害の相談を受けることが少なくありません。
では、どうやって症状の原因を探るのか?その答えが ベッドサイドでの検査 です。
ベッドサイド検査とは、診察室のベッドで行うシンプルな検査のこと。
たとえば、
- 打腱器で膝や足首の反射を確認したり
- 知覚検査で皮膚の感覚(しびれや感覚の低下)がないかを調べたり
- 手や足の動きを見て、筋力のバランスを評価したり

こうした検査で、「神経がうまく働いているか」「どの部分の神経に負担がかかっているか」を見極めることができます。
画像検査や血液検査がなくても、神経の働きを直接チェックできるのがベッドサイド検査の強みです。その結果をもとに、どのような施術が安全で有効かを判断し、施術方針を立てていきます。
つまり、ベッドサイド検査は、カイロプラクティックオフィスや整体院で末梢神経障害をみる場合の、評価の重要な土台であり、患者さんにとって安心して施術を受けられるための大切なステップ なのです。
末梢神経障害とは

- 中枢神経(脳・脊髄)から分岐して手足に至る末梢神経が障害される状態。
- 原因は圧迫(椎間板ヘルニア・手根管症候群など)、外傷、代謝(糖尿病)、炎症、脱髄疾患など多岐にわたる。
- 症状:しびれ、感覚低下、放散痛、筋力低下、反射異常、自律神経症状(発汗異常など)。
ベッドサイドでの基本的な評価
神経学的三徴(必須)
- 知覚
- 触覚・痛覚・温度覚を皮膚分布に沿って評価
- 末梢神経性:明確な神経支配領域に一致して障害
- 神経根性:デルマトームに沿った障害
- 筋力
- 主要な神経支配筋を個別にテスト
- 筋萎縮の有無も観察
- 反射
- 深部腱反射で神経根レベルを推定
- 例:膝蓋腱反射(L4)、アキレス腱反射(S1)、上腕二頭筋反射(C5-6)、三頭筋反射(C7)。
整形外科学的検査
- 伸展テスト:問題の神経に張力をかけて症状を誘発
- SLR(坐骨神経)
- FNST(大腿神経)
- 上肢のスパーリングテスト(頸神経根)
- ULTT(上肢神経張力テスト:正中・尺骨・橈骨神経)
- 圧迫・叩打テスト:神経トンネル部位での絞扼を評価
- Tinel徴候(手根管、肘部管など)
- Phalenテスト(手根管)
- Froment徴候(尺骨神経麻痺)
代表的な末梢神経障害と検査ポイント
| 障害部位 | 主症状 | 確認すべき知覚障害 | 筋力低下 | 反射 | 代表的検査 |
|---|---|---|---|---|---|
| 頸神経根症 (C5–C8) | 上肢放散痛 | デルマトームに沿った感覚障害 | 三角筋・上腕二頭筋・三頭筋・手指伸展 | 上腕二頭筋反射(C5-6)、三頭筋反射(C7) | Spurling, ULTT |
| 手根管症候群 (正中神経) | 母指〜環指橈側のしびれ | 正中神経領域 | 母指対立筋・母指球筋 | - | Phalen, Tinel |
| 尺骨神経障害 (肘部管など) | 小指・環指尺側のしびれ | 尺骨神経領域 | 骨間筋・母指内転筋 | - | Froment徴候, Tinel |
| 橈骨神経障害 | 手背外側のしびれ | 橈骨神経領域 | 手首・指伸展不能(下垂手) | 反射(腕橈骨筋反射)低下 | 圧迫テスト |
| 腰椎神経根症 (L4–S1) | 下肢放散痛 | デルマトームに沿った感覚障害 | 大腿四頭筋、母趾伸展、下腿三頭筋 | 膝蓋腱(L4)、アキレス腱(S1) | SLR, FNST, Kemp |
| 坐骨神経・総腓骨神経 | 下腿外側〜足背 | 腓骨神経領域 | 足背屈不能(下垂足) | 反射変化少 | SLR, 圧迫 |
| 大腿神経障害 | 大腿前面しびれ | 大腿前面 | 膝伸展障害 | 膝蓋腱反射低下 | FNST |
病院での検査が必要な場合
カイロプラクティックオフィスや整体院で対応できるのは、神経の圧迫や周辺の炎症によって起こっている末梢神経障害になります。それ以外の、外傷や糖尿病、脱髄疾患などは、病院での検査と治療が必要になります。
そういった問題が起きていないかどうかの判断材料として、いつからしびれがあるのか、どこにあるのか(手足の先、左右対称かどうか)を伺ったりします。また、病気の有無、飲酒歴、薬の種類、家族歴も大切な情報です。
まとめ
末梢神経障害は、痛みの他に「しびれ」「感覚の鈍さ」「力の入りにくさ」として現れます。ベッドサイドでの神経学的検査(感覚・筋力・反射)や整形外科的な誘発検査で、どの神経に問題があるのかを推測できます。早めの対応が、症状の悪化を防ぎ、生活の質を守ることにつながります。
この記事を書いた人
中央林間カイロプラクティックオフィス 興津 尚之
カイロプラクター
【資格・所属】
日本カイロプラクティック徒手医学会 正会員
マニュアルメディスン研究会 正会員
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Bachelor of Engineering(工学)
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臨床経験は17年以上。空手・ソシアルダンス・ラグビーの競技大会での選手のサポート経験あり。一般の方から、プロスポーツ選手に対する施術経験あり。

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