椎間板ヘルニア・坐骨神経痛かも?と思ったら読む記事

椎間板ヘルニア(主に頚椎と腰椎で発症する)とは、骨の間にある椎間板の中の髄核が後方に飛び出て、神経を圧迫することで起こる神経障害です。頚椎椎間板ヘルニアの症状は主に、首から指先にかけての、痛みやしびれ、感覚の低下、筋力の低下です。腰椎椎間板ヘルニアの症状は主に、お尻から足先にかけての、痛みやしびれ、感覚の低下、筋力の低下です。

頚椎椎間板ヘルニアになりやすい人は、首が前に出ていてストレートネック(図1)だったり、頭に重いものを載せることが多い人です(例えば、頻繁にヘルメットを着用する)。また、交通事故などで、首に強い衝撃が加わった場合も起こります。

図1

腰椎椎間板ヘルニアになりやすい人は、腰を丸めた状態で長時間座っている人(図2左)、中腰の状態で重い荷物を持ったりする人です(図3)。骨格の構造上、腰椎のカーブが減少してしまうと、椎間板が後ろに押し出されるような力が加わるので、ヘルニアになりやすくなります。また、交通事故などで、腰に強い衝撃が加わった場合も起こります。

図2
図3

椎間板ヘルニアで痛みの出る場所や症状

椎間板ヘルニアで神経が圧迫された場合、その症状は神経生理学に基づいて発症します。逆に言うと、神経生理学に基づいていなかった場合は、その症状は、椎間板ヘルニアではない可能性があります。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアの症状は主に、首から指先にかけての、痛みやしびれ、感覚の低下、筋力の低下です。特に頚椎椎間板ヘルニアが起こりやすい場所は、首の中部から下部にかけてで、頚椎4番と5番間・頚椎5番と6番間・頚椎6番と7番間です。頚椎4番と5番間のヘルニアでは頚神経5番(C5)、頚椎5番と6番間のヘルニアでは頚神経6番(C6)、頚椎6番と7番間のヘルニアでは頚神経7番(C7)が障害されます。

人により範囲の誤差があります
神経根症状の場所筋力低下
C5肩(腕を上げる力)
肘を曲げる
C6肘を曲げる
手首を反らす
C7肘を伸ばす
手首を曲げる
指を反らす

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの症状は主に、お尻から足先にかけての、痛みやしびれ、感覚の低下、筋力の低下です。特に腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすい場所は、腰の下部の腰椎4番と5番の間で、次いで腰椎5番と仙骨の間です。障害される神経は、ヘルニアが飛び出す場所(内側・外側)により変わります。腰椎4番と5番間のヘルニアでは、腰神経4番(L4)または腰神経5番(L5)が障害され、腰椎5番と仙骨間のヘルニアでは、L5または仙骨神経1番(S1)が障害されます。

人により範囲の誤差があります
神経根症状の場所筋力低下
L4太ももの前(膝を伸ばす力)
L5お尻(足を後ろに引く、横に開く)
S1ふくらはぎ(つま先立ち)

このように、神経が圧迫される場所と、症状には法則があります。もし、神経が圧迫されている場所と、症状が出ている場所が乖離していた場合、椎間板ヘルニア以外の原因を考える必要があります。もしかしたら、その症状は、筋肉の問題によって起きている坐骨神経痛かもしれません。実は、椎間板ヘルニアがあっても、痛みが必ず出るわけではありません。ある研究では、健康な人の76%に、骨の変形や椎間板ヘルニアなどの腰椎の問題が見つかっています。重要なのは、レントゲンやMRIで、椎間板ヘルニアが見つるかどうかだけではなく、椎間板ヘルニアの場所と症状が、神経生理学的に一致することです。

腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の間にある椎間板の中の髄核が飛び出して神経を圧迫することで起きる症状ですが、それ以外の原因で、足や腰に痛みやしびれが出ていた場合、さらに原因が明確に特定できない場合が坐骨神経痛になります。もし、お尻の梨状筋の間で坐骨神経が圧迫されていれば、梨状筋症候群になります。脊柱管が狭くなっていれば脊柱管狭窄症。坐骨神経痛とは病名ではなく、状態を表す表現になります。そのため、坐骨神経痛と言う言葉だけでは、原因が分かりません。

以下の図は、椎間板ヘルニアではなく、筋肉(筋膜性疼痛症候群)による痛みやしびれが出る範囲です。椎間板ヘルニアの症状に似ていますよね。原因が特定できない坐骨神経痛の場合、そのほとんどは筋肉による問題で起こっている可能性があります。

椎間板ヘルニアは放っておけばいずれ必ず消える

椎間板ヘルニアが飛び出した状態は、3ヶ月~6ヶ月ほどすれば、必ず消えて無くなります。これはマクロファージと言う貪食細胞(体内に侵入した異物や死細胞を食べる細胞)が、飛び出した部分を食べてしまうからです。だから、椎間板ヘルニア自体は、いずれ必ず消えて無くなります。しかし、痛みやしびれが消えるかと言うと、必ずしもそうではありません。

その理由は、「そもそも症状の原因が椎間板ヘルニアではなく、その周辺で別の原因による炎症が起きていた」「腰とは別のところで、神経が圧迫されている坐骨神経痛」「痛みを脳が学習してしまった」この3つが考えられます。

頚椎椎間板ヘルニアかも?と思ったらチェックするべき7つのポイント

頚椎椎間板ヘルニアかもしれないと思ったら、以下の事をチェックしてみてください。もし、多く当てはまるようなら、早めに病院や整体院で検査、施術を受けてください。

動作によって痛みの強さが変わる

頚椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような動きをすると症状が変化します。

  1. 首を動かすと、肩~手の痛みやしびれが強くなる。特に上に向くのが困難。
  2. 痛みやしびれがある方の手を、頭の上に置いてしばらくすると、痛みやしびれが減る。

首や腕を動かすことで、神経への負荷が変わります。頭の上に手を置くと、首から手にかけての神経が弛むので、痛みやしびれが軽減します。辛い時、自然にこの姿勢をとる人もいます。

筋力低下

頚椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような筋力低下が起こる可能性があります。

  1. 肩(腕)を上げるのが困難。
  2. 指の力が弱い。
  3. 肘を曲げたり、伸ばしたりする力が弱い。

ペットボトルのキャップが空けにくくなっり、物を持つ力が低下したと感じることが多い。

感覚低下

頚椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような感覚低下を引き起こす可能性があります。以下のことを痛みやしびれが出る場所に対してしてみてください。

  1. 健康な方の手の指の腹で、痛みやしびれが出る部分を撫でるように触れる。健康な方の同じ場所を、同じように指で触れてみる。症状のある側の方が、撫でられた感覚が鈍い。
  2. 爪楊枝などの先のとがったもので、1と同じように触れてみる。症状のある側の方が、チックっとする感覚が鈍い。

椎間板ヘルニアは末梢神経障害なので、感覚低下が起こります。感覚が反対より過敏(チクチクが強い)の場合は、末梢神経障害ではありません。過敏の場合、椎間板ヘルニアが原因ではないか、もしかしたら、既に痛みやしびれを脳が学習してしまっている可能性があります。

腰椎椎間板ヘルニアかも?と思ったらチェックするべき9つのポイント

腰椎椎間板ヘルニアかもしれないと思ったら、以下の事をチェックしてみてください。もし、多く当てはまるようなら、早めに病院や整体院で検査、施術を受けてください。

動作によって痛みの強さが変わる

腰椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような動きをすると痛みやしびれが強くなります。

  1. イスに座った状態で、症状のある足の膝を伸ばしながらゆっくり上げていく。痛みやしびれが強くなれば陽性。
  2. 立位で症状がある足側に体(腰)を横に倒す(側屈)と痛みやしびれが強くなる。(症状の無い方に体を倒して痛みが強くなる(外側性椎間板ヘルニア)こともあるが、反対側に比べて発症する確率は少ない)
  3. 体を前に倒す(前屈)すると痛みやしびれが強くなる。

体の動かすことで、神経への負担が強くなり症状が強くなります。椎間板ヘルニアの場合、体を横に倒す、前屈する動作で神経への負担が増えます。体を反らす動作では、症状が悪化しないことがあります。

筋力低下

腰椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような筋力低下が起こる可能性があります。

  1. つま先を上げ(床から離し)踵で歩く。この際に、症状のある側のつま先が下がる。またはほとんど上げられない。
  2. 踵を上げ(床から離し)つま先立ちで歩く。この際に、症状のある側の踵が下がる。またはほとんど上げられない。
  3. 症状のある足の膝を伸ばす力が弱い。
  4. 症状のある足の親指を上にあげる力が弱い。

歩いている時に、つま先を地面に引っかける、膝を高く上げて歩く、つま先を踏切る際に力が入らない、なども筋力低下が起きている可能性を示します。

感覚低下

腰椎椎間板ヘルニアの場合、以下のような感覚低下を引き起こす可能性があります。以下のことを痛みやしびれが出る場所に対してしてみてください。

  1. 手の指の腹で撫でるように、痛みやしびれが出る部分に触れる。症状の無い側の足の同じ場所を、同じように指で触れてみる。症状のある側の足の方が、撫でられた感覚が鈍い。
  2. 爪楊枝などの先のとがったもので、1と同じように触れてみる。症状のある側の足の方が、チックっとする感覚が鈍い。

椎間板ヘルニアは末梢神経障害なので、感覚低下が起こります。感覚が反対より過敏(チクチクが強い)の場合は、末梢神経障害ではありません。過敏の場合、椎間板ヘルニアが原因ではないか、もしかしたら、既に痛みやしびれを脳が学習してしまっている可能性があります。

営業時間

営業時間
10:00 〜 18:00
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  • 最終の受付時間は営業時間の1時間前になります。
  • セミナーや勉強会へ出席の際に、臨時休業する場合があります。

交通アクセス

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  • 小田急線中央林間駅東口からは、徒歩30秒(30mほど)で当院に着きます。
  • 田園都市線中央林間駅出口からは、徒歩1分30秒(100mほど)で当院に着きます。

駐車場・駐輪場

専用の駐車場はありません。近くのコインパーキングをご利用ください。自転車は建物入口のポストの向かいの壁に寄せて駐輪してください。

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